11月14日(土) りんご狩りをしよう

 今回のりんご狩りで、こんなシーンがありました。

 

 「〇〇リーダー、りんごの皮むけなさそう、絶対家庭科1だよ」

 

 と、あるメンバーが挑発ぎみに言うのです。

 すると、言われたリーダーも黙っていません。

 その言葉を待ってましたといわんばかりに、にやりと笑って、

 

 「え?リーダー、調理師免許持ってるんだけど」

 

 

 メンバーは愕然、さっと顔色を変えて、

 

 「マジ!?強っ!絶対勝てないじゃん」

 そのテンポのよい会話に、周りのリーダーたちは大爆笑。

 そのメンバーも、「ごめんさい、調子に乗りました」とおどけてみせました。

 

 私も一緒に笑いながらただ少し、その光景にうるうるとしてしまいました。

 「すごい」ことを、「すごい」と認められること。

 自分より何かが上手な人を、褒められること。

 そのことの難しさは、はかり知れません。

 

 「あの人は〇〇ができない」「〇〇さんはここがダメだよね」

 そういった否定の言葉で、自分という輪郭をなんとか削り出すことがあります。

 私も自分に自信がないときにしてしまうことがあります。

 そこをぐっとこらえて、他人を認められるにはどうしたらいいのでしょうか。

 「私はこれができる!」「私にもできることがある」という肯定の言葉で「自分」を描けるようになって欲しい。
 

 一粒一粒、砂を積むように、「誰かに褒められた!」という経験を得ること。

 太陽が暖かいように、「私は大事にされている」と温もりを感じられること。

 雨のあとの晴れ間のように、何かに失敗して落ち込むことがあっても、「次はできるよ」と誰かが信じてくれて、乗り越えたこと。

 そういった体験をしてきたからこそ、今回のやりとりがちゃんと「冗談」になったのだと思います。

 それは何年か越しに実ったリンゴのように、ストンと私の胸に落ちてきました。

 

 そんなことを感じていると、今年もあっと言う間に残り1か月。12月の活動もみんなで楽しもう!!

 

 放課後等デイサービス YMCAきぼう

 港 駿也